その一言で一息つくことが出来てさっきの辛さとかを外に逃がすように大きく深呼吸した。
そのお陰か少し楽になると、自分の中にある力を確認してみた。…かなり強くなってる。自分の力の性質も今ならハッキリ分かる。撹乱するように魔物を倒していたけど本来は力に物を云わすパワータイプで、補助とか苦手な前衛タイプ…これならあのとき苦戦した蜘蛛も1発で終わらせられる。…すごい力だ。…こんな力、世間に知れたら大変な事になる。…通りで〔宮〕家や警察が隠したがる訳だ。
「…冬哉?…大丈夫?」鈴美が顔を覗きこんで、聞いてきた。
「ん?…あぁ、大丈夫。ごめんな?心配かけて。」鈴美の髪を撫でながら言うと咳払いが聞こえた。びっくりして振り向くと、義父さんが!…恥ずかしくなって慌てて鈴美から手を離すと
「もう大丈夫です。ご心配お掛けしました。…引き続き式の立会人を引き受けて下さりありがとうございました。」頭を下げ言うと、
「大丈夫だよ。…さ、今日は疲れているだろうしこれで御開きにしましょう。」義父さんが言うと、皆はそれぞれ「お休み。」と言って部屋を出ていった。
二人きりになって互いに風呂に入ると、鈴美に考えていた事を言った。
「あさってから新婚旅行だけど、明日、行きたい場所があるんだけど、良いか?」
「いいけど…何処なの?」鈴美は言うと、
「それは、この結婚と俺が当主になった事を報告しに行くんだ──」と言った。