──俺の父さん、彰人(あきと)は俺が7歳の時に亡くした。
交通事故に合って…
母さんが大好きで、確かその日は母さんが好きな和菓子を買いに行って帰って来なかった。
『彰人さんと冬哉が居てくれればそれだけで良いのに…』そんな悲痛な声が今でも頭の中に残ってる。…それだけ父さんを愛していたんだな。
今では母さんの気持ちがよく分かる。
もし、鈴美に何かあったら、なんて思うと気が気じゃない。
「大丈夫だよ。母さん。今日は速めに寝るし、…あと2~3時間で夕飯だろ?」かなり古い置き時計…祖父さんが買ったもの…を見てから言った。
「えぇ、そうよ。」母さんが言ってから部屋に戻り書類に目を通した。…先程よりペースが何故か上がっていた。
一段落すると、丁度夕飯が出来たと母さんが呼んでたからリビングまで行き、夕食をすませ、風呂に入り、俺は逸る気持ちを押さえながら寝た。