婚姻届を市役所に出して、数日後、俺は待ちに待った日が明日だ。
───結婚式。
鈴美は鈴美の実家にいるが、俺は鈴美に会いたくてうずうずしている。
……こんなの母さんに見せたくないから部屋に籠って〔表〕〔裏〕の仕事、両方の書類に手を伸ばしてるけど…全然手につかない。
……コーヒーでも淹れて一息いれるか。席をたち、リビングに行くと、母さんがテレビを見ていて、
「あら、どうしたの?」
「あぁ、コーヒーでも飲もうかと思って。」と言いながらコーヒーの準備をする。だが、クスクス笑いながら
「冬哉、落ち着きなさい。当主とあろう者がその様子でどうするの?…冬哉がコーヒーを飲むときは落ち着いてないときだもの。」俺が結婚式を挙げたら正式に代を俺に譲る事になってる。……しかもバレてるし。流石、母親だな。
「まだ、正式にじゃないだろ?」
「挙げ足とらないの。」……即答だな。
「明日に控えてるのだから飲みすぎない事ね。カフェイン効きやすい体質なのだから。…貴方のお父さんに似てね?」俺はコーヒーが出来たから部屋に帰ろうとしたとき、父さんの話が出て手がビクッとした。