その人は私の隣に立ち、
「わたしの婚約者に手を出さないで頂きたい。」とかなり怒りを抑えた声で言った。
入る隙間が無いと分かったのか何も言わずチャラい男は出ていった。
「和やかな場をお騒がせし、大変申し訳ありません。」と周りのお客様に対して頭を下げた。
構わない。と言う声が幾重にも重なり聞こえたから頭を上げると、お客様は笑っていた。…どうやらチャラい男には他のお客様もイラついて居たようだ。
この後、何事も起こらず、平穏に文化祭は幕を閉じた。が!
『婚約』についてクラスに戻ったら根掘り葉掘り聞かれたのは言うまでも無い。
それがどっと疲れた原因だった。