「最後の方、何て言ったの?聞こえなかった。」って言ったけど
「聞こえてないなら良い。…浴衣、似合ってる」と颯斗が言った。私は顔が熱くなって、俯きながら
「颯斗の浴衣姿、凄く似合ってる。」って言った。
「顔、赤いぞ?」と少しからかうように颯斗が言ってついつい英語で
《格好いい颯斗がいけないんだもん。》と小声で言って颯斗がそれを聞いていたのか
《ありがとう雪奏、》と言ってキスしようとするのを阻止して、
「だ、駄目!グロス付いちゃう!!」と言ったけど
「それは拭き取れば良いだろ?…何時もより美味そうって思った」とキスをしてきた。
最後に私の唇をペロッと舐めて、
「いつまでも居たら、人で混むし、花火も見えなくなるから行くぞ?」と私の手を繋いで来た。
「颯斗?…唇グロスでキラキラしてるから」と言って巾着の中のハンカチを出して拭き取ってから、グロス塗り直して会場に向かった。