「こっち見てくれない?」

深呼吸して

恐る恐る顔を上げた


「やっとこっち見てくれたね」

彼が顔をくしゃくしゃにして

笑っていった

彼の笑顔を見て

安心してしまって

張り詰めていたものが

プツンと切れ

あふれ出すものを

止められなかった。