「ゆう!」

後ろから名前を呼ばれた

振り返ると

彼がいた

おとなしくなっていたはずの

鼓動が早くなる

「・・ごめんなさい、遅れて」

それ以上、言葉が出てこなかった

彼を見ることもできないぐらい

ドキドキして

顔が赤いのが自分でも分かる

握った手は

汗ばんでいて

爪が手のひらに食い込む