「なにこれ……」
私はごくりと喉をならした。

ひな人形は100体はあったと思う。長年置かれていたのだろう。中にはコケや泥が付着しているものや、手足がちぎれてしまったものも多くあった。

「どうする? 引き返すか?」
晃が慶太に訊いた。

「いや、もう少し行ってみよう」

「もういいよ、帰ろうよ」
みなみがいった。

「まあ待て、あと少しでちょうど真ん中だ。そこまで行って引き返そう」
慶太が答えた。