キーンコーンカーンコーン…


入学式の今日は午前だけの授業。
授業も終わり学校を出た時だった。


タッタッタッタッ…


「…っ瞳‼︎」


誰かに名前を呼ばれる。

思わず振り返り返ってしまう。
同じ中学の人はいないはずなのに。
私のことを知っている人がいるはずなのに。


少し顔を赤くした彼が口を開く。


「えと…瞳だよな?蕾園にいた優希瞳。俺のこと覚えてない?」


優希瞳…その名前何年振りに聞いたかな…。
覚えてくれてたんだね。
彼の顔に私は見覚えがあった。


「今は蒼井瞳ね、久しぶり…響。」