その横で私は膝を抱えながら授業が終わるのをただ待った。
「優ー!!ちょっと何処行ってたの!?」
「えっと・・・屋上?」
「はぁ?なんで?授業サボったの!?」
「ああー、うん」
「まさか、神崎君と一緒だったとかじゃないよね!?」
神崎君より一足先に教室に戻ると、席から身を乗り出した加代の質問攻めが始まる。
今まで授業をサボったことがないのに加えて、神崎君もいなかったとなれば当然かもしれないけど・・・
「実は一緒だった・・・」
私の一声に、加代が固まる。
大きな目をさらに大きくして、両手で口を覆ったまま。
「加代?」
『岡田ってイノシシみたいだよな』
「!?」
いつの間にか神崎君は隣に戻ってきていた。
ってか今、イノシシって言った?
「イノシシ・・・?」
加代がすかさず聞き返す。
『そう、廊下で俺に思いっきり突進してきてさ・・・』
「それは急いでて、前見てなくて」
慌てて否定するが、ふと頭にあることが蘇る。
パンツ・・・
もしかしてそれを言いふらすつもりじゃ・・・!
「それでそれで!?」
煽る加代と薄っすら笑う神崎君を交互見つめる。
やめて。
そんな恥ずかしい話されたらもう学校来れないじゃん・・・
『それで俺に勢いよくぶつかってきて、岡田がおもいっきり床に尻もちついたわけ。そしたらさ・・・』
「やめてよ!!そんなことして楽しいわけ!?」
私は勢いよく椅子から立ち上がり、神崎君を睨んだ。