「あのさ、さっきはごめんね」
『さっき?』

顔を上げた神崎君と視線がぶつかる。
けど、私は恥ずかしくて視線を机に逸らした。

「ほら、怒鳴ったでしょ?みんなの前で・・・」
『あぁ、別に気にしてねぇけど?』
「な、ならいいんだ」
『あのさ・・・』

突然机の上の神崎君の携帯が震えながら教室に鳴り響く。
画面には”由々香”の文字。
ゆゆか・・・?

『・・・・・・』
「でないの?」
『あぁ、いい』

なんで出ないんだろう?
私がいるから?
彼女だけど私がいるから恥ずかしいとか?
電話が切れると、今度はLINEが届く。

”いまどこにいるの?”
”会いたいよ”

やっぱり彼女っぽい。
まぁ、イケメンだし彼女くらいいて普通だよね。
ってかいない方がおかしいくらいだし・・・

「あ〜、じゃあ私帰るね。また明日」

とりあえず謝れてよかった。
なんで庇ってくれた?のかは聞けなかったけど。

ぎゅっ

・・・?
え?
な、なに?

神崎君の机を横切った時、突然手首を掴まれた。

「えっと・・・」

神崎君は下を向いていて顔は見えない。