騒ついていた教室が少し静かになる。
「確かにぶつかったのは悪かったけど・・・そんな風に人に話すなんて最っ低!!」
「ちょっと、優!?どうしたの!?」
後ろの方で加代の声がしたけれど、頭に血が上ってそれどころじゃなかった。
教室を出ると、今日何度目かの階段を駆け上がる。
そして気がづいたら屋上に来ていた。
相変わらず日差しが気持ちいい。
さっきと同じ場所に座ると膝を抱えた。
「もう・・・大嫌い・・・」
呟くと同時に始業のチャイムがなり、今日最後の授業をサボってしまった。
きっと今頃教室で私は笑ものだ。
パンツに加えてあんな大きな声で神崎君に怒って・・・
初めて学校が少し嫌になる。
「憂鬱・・・」
「優っ・・・!!」
誰もいない屋上に響く、聞きなれた声。
遠くから加代が走ってくるのが見えた。
「なんで・・・?」
「優ってば、足だけは早いんだから」
息を切らせた加代が隣にドカッと座り込む。
「大丈夫?ってかなんで?」
私同様、加代も授業をサボるような人じゃない。