腹を撃たれたこの女は
紛れもなく自分が愛した女。
「…土方さん、泣かないで…
笑顔……
…みせて………ください……」
俺の腕の中で
か細くそういう女の名はお美沙。
…俺が、
生涯かけて愛した
ただひとりの女だ。
「…うるせぇ…!!
なぁ、お美沙、頼む。
生きてくれねぇか……!!
俺のために、ずっと……
俺の隣で笑っててくれよ……!」
「…ごめ…ん…、ごめんなさ……
…土方さ………………
…ちっとも………伝えれなかった……
…けれど……
………私は、ずっと…
土方さんを……愛してました…」
少し笑って言うお美沙に
頬を伝う涙が溢れた。
また、一段と、強く。
もう離さない……と、
誓ったにも関わらず……
お前は生きた証を
まるで、
何ひとつ残さないかのようにして…
俺の前から消えてしまう。