白い入道雲が、私の気持ちみたいに、どんどんどんどん、膨らんで、青空を埋めていく。

中一の夏、私は、ある賭けをした。

「お前が、彼氏つくれたら、もう、なんも言わねーよ」

いじめられっ子の私は、今年の夏まで、瞬たちのグループに、いじめられていた。

理由は、簡単。
私が、ぶさいくだから。
始めっから、分かっている。
言われなくても、ブスだって。
自覚しているのに、日に日にひどくなるいじめを、黙って受けている訳には、いかなかった。


だから、、、

あんなことを、くちばしってしまった。

「彼氏つくれたら、もう、いじめないで。」


瞬は、結構、簡単に、うなずいてくれた。

佐々木 瞬

サッカー部で、一年生では、キャプテン的な、存在。

だから、クラスにぶさいくな子が、いると、すぐにいじめる。

そんなかれと、おんなじクラスになってしまったのは、不幸だ。

今まで、何人もの、女子生徒を、不登校にしてきた。

だから、私は、見返してやりたかった。

それだけのこと。


でも、、、今さらだけど、作る自信が、ない。


でも、やるっきゃない。

しけた目をしたクラスメイトをあとに、成績表をもって、一気に駆け出した。




私の夏が、、、、、

始まっちゃった。