「私の勝手であなたに押し付けてしまって、本当にごめんなさい。」


と、顔を下げる唯那のお母さん


「止めてください、顔上げてください。」


「でも………私の自分勝手で……………」


「俺はお母さんに唯那さんを託されたんです。
それに俺はどんな唯那さんでも受け止める覚悟で、あの日この家に来ました。
ですから俺が唯那さんのことを、必ず守って見せます。
だから見守っていてはもらえないでしょうか。」


「西園寺さん…………」


「お母さん、あの指輪は園寺家のしきたりで、将来結婚する相手に渡すものです。
なので、簡単な気持ちで唯那さんに渡したわけではありません。
その思いは何年経っても変わるつもりはないですし、俺はもう二度と唯那を手放すつもりはありません。」