「それに、東京に居た頃にあの子からあなたのことを聞いていたの。」


「え?」


『幼稚舎にね、龍くんっていう男の子が居るんだけど、とってもかっこよくて、とっても綺麗な心を持った男の子なんだよ。
それにね、龍くんと一緒に居ると幸せになれるの!不思議でしょー?』


「あの子はあなたをそう言ってたわ…………
だから私は幼いあの子を信じようと思ったわ」


「…………………唯那がそんなことを。」


唯那が家族にそんな風に言ってたなんて……
救われていたのは俺の方だった。
一人だった俺に話し掛けてくれて、俺と居る時に見せてくれる唯那の笑顔が好きだった。


また、あの頃のように笑顔を見せてくれる日が来るのだろうか………