事件が起きたのはちょうどその頃だったの。
家族全員で新しい道を歩もうとした時だったの。


久しぶりにお父さんが日曜日に休みをもらって、家族全員で遊園地に行くことになったの。


その時は、貧乏で車が無かったから電車で行くことになって駅まで歩いている時だった…………


唯那は久しぶりのお出掛けにはしゃいで喜んで、私達よりも少し前で歩いてたの。


その時だった…………
居眠り運転で暴走した車が道路でふらついてたんだけどその車がいきなり歩道に乗り上げて唯那の居る方向に向かってきたの。


でも、唯那は無事だった………



唯那がトラックにぶつかる前に、お父さんが走って唯那を抱きかかえてくれたおかげで、唯那だけは無事だったの。


唯那は目の前でお父さんが亡くなったことにショックを受けて唯那は気を失い病院に行ったけど、眠ってる時にずっと言ってた言葉。


”私がお父さんを殺したんだ…………”


私は寝ている唯那に、ただ泣きながら違うとしか言えなかった。


お父さんはあなたが殺したんじゃないって……
あなたを守ってくれたんだって……


でも、私の声が唯那に届くはずがなくて、目が覚めた唯那はショックでお父さんが亡くなったこと一緒に、西園寺さんのことまで忘れてしまっていたの。