どのくらいそうしていただろうか。
雨のお陰て濡れた頬を隠すことができた
「そろそろかえろ」
やっと気持ちが落ち着いて時間を見る余裕ができた。
18時
お母さんも心配してるよね
早く帰ってお風呂入ってご飯食べて課題をやらなくちゃ
そんなことを考えながら、家に向かう
家について門をくぐろうとして気づいた
ドアの前に誰かいる
その背中はつい数時間前に見たものと一緒で
一番会いたくない人のものだった
「笑!!」
安心したような声で私の名前を呼ぶ
かけよって頭を撫でる
「こんなにびしょ濡れになって!
さがしたんだからな!
昇降口に傘おきっぱなしで、風邪引くだろ!?」
幼なじみだから、怒ってるの?
他に何も感情はないの?
そんなことを考えて黙っていたら
止まっていた涙が溢れだした。