数時間程たち、日も傾いてきたころ…







「総司そろそろ帰ろっか!」





「そうですねっ!帰りましょう!」
と言って立ち上がったとたん…




「.うっ!げほっげほっ、ごほっ、げほっごほっカハッ」
総司の口から血が滴った。そして大量の喀血をした。





「あぁっ!総司!」
総司は気を失った。



















舞桜羅は何とかして総司を連れて帰った






「ばぁちゃん!ばぁちゃん!大変!」






「どうしたって総司くん!今布団用意するね!」





「あぁっ!総司!ちゃんと意識保って総司総司!」







それから総司を布団に寝かすとすこに痰がかった寝息が、聞こえてきた。





舞桜羅は食事が喉をとおらかなかった。










ピチチチ……





「ん…?私いつの間に寝ちゃったんだろう…」




そのまま暫く舞桜羅は総司の顔を眺めていた…





「ん…舞桜羅さんどうしたんですか?」





「うおっ!」





「そんな驚かなくていいじゃないデスか!ゴッホゴッホ…」



「ごめんごめん…」





あの日倒れて以来総司は立ち上がることすら苦痛に感じるようになった。







ある日のことだった。




「舞桜羅さん?」



「ん?」




「あそこにクロネコいません?」




「いないよ?気のせいじゃない?」




「そうですよね!」



「うん!」




舞桜羅はこの時あることを思い出した。
それは…






総司が最後クロネコを見るようになって
でも、それは幻想だったって話を…








ダメだ止めなきゃ…刀は人を斬る物であって動物を斬るものではない。
舞桜羅はこの時舞桜羅はあることを決意した。それは…










自分はどうなってもいいから時代を変える…何としてでも総司を止めるんだと…












今日もまた総司はクロネコいません?って聞いてきて私がいないよって…




そんなやり取りが毎日続いた。
総司は見るに痛々しい程痩せ、そして顔は青白く、会話は減り喀血の回数が増えて、食事の量が減っていくばかりだった。





そしてある日…
近藤さんは斬首された。このことは総司にはしらされなかった。近藤さんに言われたのだ。総司には言うなって…この前まで総司と私のところにきて一緒に笑ってたのに…








ドウシテ ミンナ シンジャウノ?















時間は私たちを待ってはくれなかった日付をみれば総司の命日だった。私はこの日ずっと総司の部屋に居ようと決め、総司の部屋に向かった。






トントン…
「総司ー入るよー」



布団の上には総司はいなかった。
でも刀を杖にして縁側に立ち、本当は、いないクロネコを目で追っている総司はいた。





総司は私に気づいていないようだ。
私はそぉーっと総司に近づく。総司との距離はあと1mと言うところで総司は刀を振り上げた。





そこからは何もかもスローモーションに見えた。






「いざっ!!!!!!!!!」





「きゃぁぁ!総司!ダメぇ!」





グサッ






「舞…舞…舞桜羅…さん?」















これでいいんだ。頭の中で走馬灯が見える中
総司の声が聞こえた。






「舞桜羅さん…げほっごほっゴッホッ
愛してます…よ?」






「私も…私も…総司の事愛してるよ?」




総司は今までにないくらいの血の量を吐いた。
総司も私ももう長くない。
サヨナラ…この時代での愛おしい人…
貴方の手で死ねてよかったまた来世で会いましょう?







こうして私たちは江戸時代での生涯を終えた。






















「舞桜羅さん…舞桜羅さん…」





「あ!神様!」




「覚えてたのね…」




「当たり前じゃん!」




「貴女は平成に帰らなくてはなりません。」


「何で?私、時代変えちゃったよ?」




「それでも帰らなくてはなりません。命令です。」




「ふーん」



「目をつぶってください…」



と言われ私は目を瞑った。