だけど、地元の駅で降りて改札口を出たところで唖然とした。
「リョースケ…」
地元まで来たの!?
あとつけられてたんだ。油断しきってた。
むり。怖い。
そして、リョースケは私に気付いたようでにこやかな表情を浮かべて近寄ってくる。
「あと…つけてたの?」
「人聞き悪いなあ。だって鈴、連絡無視だしまともに話そうとしないじゃん」
「きゃっ…」
「ここなら人も少ないしゆっくり話せるかなっておもったから」
リョースケは私の手首を掴んでジリジリと距離を縮めてくる。
力が強くて結構痛い。はなしてほしい。
「はなして!痛い!」
しかもいつもにまして今日はこの駅なんだか人っ気がない。
どんどん距離を縮めてくるリョースケ。
「好きなんだよ鈴の事が。」
チラッとリョースケの顔を見るとすごく辛そうに顔を歪めてたからそこで私はやっと気付いた。
私の事、こんなに好きになってくれてたんだ…
出会いは合コンだった。向こうの一目惚れで、告白されて結構顔もよかったから付き合ってみた。
弄ぶようなマネして酷いことしたなって、過去の自分を悔やむけど今はそんなことより自分の身が第一なわけで。