まったく…バイトが憂鬱になるよ。
毎日パン屋の前で私が終わるのを待ってる元カレ。私がスルーしたら無言で後ろをついてくる。
そして毎日来るLINE、そして電話。
怖すぎます……こんな事になるなら最初から振っておけばよかった。
里奈には、いつか襲われるんじゃない?とか言われる始末。笑えないしね、ほんと。
そんな日々が続いて一週間が過ぎた。
「お疲れ様です」
「じゃあね、鈴ちゃん!お疲れ〜」
今日もいるのかな。
沈んだ気持ちで店のドアを開け、外に出ると珍しくリョースケはいなかった。
警戒しながらキョロキョロ周りを見渡すけど、いつもと違ってリョースケらしき人はどこにも見当たらない。
もうさすがに懲りたのかな?
ま、電話もLINEもオール無視だもんね。
リョースケからのストーカーがやっと終わったと思うと、知らずのうちに最寄り駅へと向かう足取りは軽くなった。