「でも、納得した」
「え?」
「言ってくれた言葉」
「今の俺の言葉?」
「うん。焦らなくても…いいよね。」
「そーだよ」
「それじゃ!ありがとう」
「ここお前んち?」
「そ!近いでしょ!じゃあね」
古くさいボロアパート。
ここがあたしの家。
少し恥ずかしくて、あたしは振り向かず急いで階段を登った。
登りきって下をみると彼はまだ下にいた。
「きったないアパートでしょ?」
「このアパートずっとあるもんな」
「あたしが赤ちゃんの頃からある」
「そんな前からあるんだ」
「うん。それじゃーね」
「ばいばいっ」
あたしはアパートの上から、彼が帰ってくのを黙ってみてた。
あ、名前聞いてないや。
…これがあたしと悠太の最初の出逢い。