わたしは、小さいときから少しませた子供だった。

いやませていたというより世の中にさめていたのかもしれない。

小さいときに知った父親の死から、時として人は夢をいろいろ抱くが、

はじめからどこかわたしたちの知らない世界で、すべては前から決められていて
、どうにもなるものではないと思うようになった。

自分がよい行いをしてもそれは、はじめから決められていたことをしただけであって、

魂がうかばれるとか、そんなことは、全く無意味に思えた。