わたしは、大きな契約のたびに、彼に同行してもらっていた。

名刺の肩書きの力が必要だったのも事実だが、


それ以上に彼は商談のふいんきをなごませる不思議なふいんきを持っていた。


かといって、しめるところはしっかりと主張し、

結局、相手がそれならあなたにめんじて、この契約でいきましょうといったふうに

主導権を持っていくのだった。

彼だけが持っている人を引き付ける魅力にわたしは、理想の上司として疑わなかった。