博久さんは、奥さまと二人のお子さんがいるいわゆる愛妻家だった。

仕事の帰りが遅くなると必ず家に電話をする真面目な男だった。


ただわたしには、彼と仕事で同行したり、お互い仕事で遅くなり同僚も含めて食事をして帰るたびに、

彼から自分がきつく抱きしめられている姿をベッドの中で想像した。


年は離れている、

でもその積み重ねた年輪からわたしに与えるものを

自分の想像の中で膨らませ、身体が熱くなった。