その時。五時限目のチャイムが鳴った。

「あ…私、そろそろ教室に帰りますね。手当てありがとうございました!それじゃあ…失礼します。」

「あ!うん。今日はごめんね…!また会えるといいね。バイバイ。」

また会えるといいね。…何て響きのいい言葉…!!バイバイいただきました!ごちそうさまです…

教室に戻ると友達の加那葉が抱きついてきた。暑苦しい…

「舞〜!!おかえりぃ!大丈夫だった?!」

「う、うん…大丈夫。ってか…加那葉…暑い…離して…苦し…」

「わぁっ!!ごめん〜!」

このやりとり、一体何なんだ…

「でさ!!センパイと保健室行ったけど…どうだったの?!何か話した?」

「や…特に何も…話すの苦手だし…」

「えぇ〜!!もったいない!!せっかくのチャンスだったのにぃ…!」

「何話してんだよ…またセンパイの事か?ほんっとに女子って夢見がちだよな〜」

「葵!うるさいなー!いいでしょ!夢見たって!」

…また始まった…加那葉とこのクソ生意気な竹渕葵の戦い(?)が。