君に恋をした、あの日。眩しい日差しが降り注ぐ、あの夏の日。


私は今、フェンスの向こうで今にも潰れてしまいそうなくらい、周りを女子で埋め尽くされている学校一モテる高校三年生、眞田和樹を眺めている。

「…はぁ…やっぱり無理かな…」

思わず、諦めのため息をもらしてしまった。

「何言ってんの?舞。何が無理なの??」

「いや…もう無理…」

舞…というのはこの私、井上舞 高校二年。私のことだ。

最近、眞田和樹…通称 和樹センパイは学校一モテる男なのだ。もちろん、ファンも多い。その中の一人が私。相手にされるわけないのに、勝手にアピール。そのおかげで、散々な目にあった。うぬぼれて、夢見て何が悪いのさ!…な〜んて言えるわけがない。考えてる私がバカみたいだ。