「凰くん…。」
「何ですか…?」
「くる…しい…。」
「え?」
魔吸石はひたすら私の魔力を吸っている。
「魔吸石か…!」
事態を知った凰くんは、私の唇を強く吸った。それは、何としても私を助けたいという、凰くんの強い意志に見えた。だがそれでも、魔吸石は魔力を吸っている。
「んっ…!」
何としても、生きたい…!今度は私の方が、凰くんの唇を強く吸った。魔吸石とキスが、激しい戦いを繰り広げている。
こうして、私達は一晩中、お互いに唇を求めあった。魔吸石はそんな私達に根負けしたのか、朝には元の状態に戻っていた。