「じゃあ、おやすみ。」
「おやすみなさい…。」
ベッドは一つだけだったが、もう全然気にならなかった。むしろ、凰くんと一緒に寝られるのが嬉しくてたまらなかった。
「結乃先輩。」
「?」
「ちょっと、抱かせて下さい。」
凰くんの腕が、私の背中に回る。凰くんのくれる安心と睡魔で、眠りかけたその時…。
「!」
私の体で、何かがうごめいた。
「う…うぁ…。」
それは私の魔力を吸っていた。…魔吸石が、発作を起こしたのだった。