教会は、ここからすぐ近くにあった。
「あとは包帯で…これでもう大丈夫です。」
「あ、ありがとうございます。」
「それにしても、治癒の泉を探していらっしゃるとは…。あと五年ほど前にこちらに来れば、まだ楽だったのですがね…。」
「五年前に…何か?」
「ええ。五年前、ここの井戸の水が何者かに盗まれたのです。その水の水脈は、治癒の泉の水と同じだったのですよ。」
「その盗んだ人って、誰なんですか?」
「それは未だに分かりません。魔吸石を消したかったりしたのでしょうかね…。」
「わ、私達はそんな事しませんからね!」
「分かっております。さて、今日はもう遅いですし、風呂にでも入ってゆっくりお休みになられるとよいでしょう。」