「結乃先輩。」
「?」
「しばらく休んでて下さい。俺達、結界壊しときますから。」
「うん…。頑張ってね。」
私は木にもたれかかり、目をつぶった。今になって、腕の痛みが襲いかかる。でも、これは言わば自業自得だったりする。
「…、…。」
攻撃魔法を詠唱する二人の声が聞こえる。私は、心の中で応援していた。
「…、…。」
「お待ちなさい!」
突然、誰かの声がした。私はびっくりして、目を覚ましてしまった。
「…どちら様ですか…?」
「結界を壊すとは…罰当たりめが。出て行きなさい!」
「いえ、あ、あの、違うんです!これには理由があって…。」