凰くんは私の腕を掴み、続けた。
「何で死のうとするんですか!せっかくここまで来たんですよ!?なのに、こんなところで死なないで下さい!俺達の努力…どうなるんですか!?櫻ヶ城先輩も竜崎先輩も須木本先輩も、ディゾンと戦ってたじゃないですか!俺だって…今こうやって、先輩に魔力を返してるじゃないですか…!だから…こんなところで死んじゃダメです!俺がここにいますから!俺が先輩の事守りますから!俺を頼って下さい!」
凰くんの必死の叫びが、空っぽになった私の心に響いた。遮るものが無い分、それはストレートに、私の心に直撃した。
「凰くん…私…。」
私はいつの間にか、木の枝を離していた。そして、血と同時に涙を流した。
「ごめん…凰くん…。」
「…泣かないで下さい、先輩。大丈夫ですよ。俺達、助かりますから。」
「うぅっ…!」
嗚咽が止まらなかった。全く、どこまで行っても、凰くんは優しい子だ。