本部の中には机がひとつ、椅子が二脚、ソファーが人つあり、窓ガラスは黒い幕が貼ってあって、外からは見えない。

私の友人の話ではこうだった。
友人の友達の男子生徒は放課後、本部に連れてこられた。


***


「単刀直入に聞くぜ。事件についてだ」
男子生徒に松夫はゆっくりとそう訊いた。
「し、知りません」
「そんなはずないだろう。君は顔も広い。何か知ってるんじゃないか?」

「ホントに知らないんです」
聞いていた一斗が机を叩いた。

バン!

「言えよ」
一斗は男子生徒に顔を近づけた。

「何にも知らないんです」

しばらく問答が続き男子生徒はやっと解放された。
最後に藤田が、
「また話を聞きたくなるかもしれない。その時は俺たちを失望させるなよ」と濁った声でいった。