「南雲、逃げるぞ!」

増田は私の手をにぎった。

未来と賢が増田をつかんだが、増田はそれを振り払い、走りだした。


廊下に複数の足音が響く。
私は増田に手をひかれながら走った。


「待て!」
悪党が叫ぶ。


私たちは校門を飛び出し、路地に入った。もう追っては来ないようだった。

私たちは、垣根にもたれ、へなへなと崩れ落ちた。