牧野は首を振った。

「しかし、この三つの事件は関連しています。何かの意図があるように思えてなりません」
のぞみは淡々と話す。

「やはりそう思うか?」

「はい。これだけ調べて何の手がかりもないことが、返って不自然です」

「つまり?」

「完璧な隠ぺい工作がされているに違いありません。突発的な事件であれば、犯人は後先考えずに犯行をして、つい誰かにほのめかしたりするものです」

「確かにそうだ」

「まるで報道規制のように、鉄壁です。幽霊相手に調査をしてるみたいです」

「なるほど。ありがとう。とりあえずは事件は収まった。もう何事もなければいいが」

「そう、願いたいです」
のぞみがいった。