そして、また誰かが止められた。

梅田賢だった。

「悪いがこっちに来てくれ」
一斗は賢の腕をつかんだ。

「なあ、手離せよ。いてえじゃねえか」
「カバンを見せろ」
「嫌だといったら?」
「腕ずくになるぜ?」
一斗がにらんだ。
「やってみろよ」
「てめえ、髪も金髪でふざけてるのか」
「おい、腕ずくはどうした?待ってるんだぜ」

一斗が賢の胸ぐらをつかんだ。
それから一斗はうなるほど速いパンチを繰り出した。