バックヤードユニオンは毎朝校門で検問を依然おこなっていた。

ある朝ちょっとしたトラブルが起きて、私はその場に居合わせた。

校門には双葉総太、藤田雄大、土屋松夫、宇都美一斗が並んでいた。
その横に舎弟の若松敬、二村潤が控えていた。

その光景は不気味だった。
威圧感が支配していた。
生徒たちは無言で、聞こえるのは足音だけだった。

バックヤードユニオンは門をくぐる生徒たちを鋭い目でにらみつけ、目をそらしたり、挙動がおかしい生徒がいると、止めて荷物を検査していた。

「若松、あいつを引っ張ってこい。俺から目をそらした」
松夫がいった。
「はい!」
敬は走っていき、
「おい、お前。ちょっと来い」
男子生徒を連れて来た。

「おはよう。ちょっと荷物を見せてくれ」腕をくんで雄大がいった。
男子生徒はカバンを見せた。おびえた目だった。
特に怪しいものはなかったらしく。
「もういい行け」
といった。