翌日の昼休み、私は増田のもとに行った。
私はもう逃げない。

「増田、ちょっといい?」

増田は目をキョロキョロさせていた。
しばらくして、

「いいよ」
といった。

「屋上まで来て」

私は歩いた。その後に増田が続いた。

屋上には誰もいなかった。

「増田」

「何?」


…………


「好きです」
私は増田の目を見つめた。












…………



「あ……」

「あ……」


「増田が大好きだ」
私はもう一度ゆっくりといった。



「本当に?」



「本当に」



「俺さ、祭りの時、お前がいきなり帰ったから、俺何か悪いことしたのかと思ってた。それから、俺、お前とどう接すればいいか分からなく……」






増田のくちびるはほのかに暖かかった。
ずっとこうしたかった。






増田は私を強く抱いた。
私は増田を抱きしめた。
何もいわず。何もいわずに。






陽光が私たちを照らしている。
青空はどこまでも澄み切っている。




私たちは今、ここにいる。
私は幸せだ。
時間なんてなくなればいいのに。






ごめんね増田、ありがとう。
愛してるよ。