バックヤードユニオンは私たちの考え通りにはならなかった。
解散はしなかった。

それどころか、ますます勢力を拡大していった。
保守的な考えをもった、学年の有力者たちが何人か加入した。
それに伴って、その取り巻きも加入していった。


一方ブラッククラウンも着々と力をつけた。

学校の男子の大半が赤か青のバッチをつけていた。

まるで戦国だ。

校舎が城ならば、ブオゥー、ブオゥー。
と貝の笛が聞こえてきそうだった。

豊臣と徳川、江戸幕府と薩長連合、巨人と阪神、ロミオとジュリエット(これはちょっと違うか)、こんな具合だ。


学校はものものしい雰囲気になっていった。

解放区はすでに全ての授業で使われなくなり、椅子や机で廊下の入口にビーバーのダムみたいなバリケードが出来上がっていた。

さすがのバックヤードユニオンも近づかなかった。

トランプのシャッフルのように、男子たちは今までの友達を離れ、同じ勢力のもの同士で固まった。