「どうやら、ここは引いた方がよさそうですね」
総太はクスと笑った。

「そうみたいだな」
松夫がいった。

「藤田君、行こう」

「ああ」

バックヤードユニオンは早々に引き上げた。その引き上げ方は鮮やかだったという。

残った教師たちも、どうすることも出来なかった。
その時解放区には100近い生徒が集結していたのだ。

この日を堺に北十字学園は混沌に包まれていった。