これで最後、本当に最後。

私は浴衣を着て出かけた。

駅で増田と落ち合った。

「お、浴衣か」
「似合わない?」
「似合うよ」
「よかった」


祭会場は人がひしめき、屋台がずらりと並んでいた。

射的をして、綿飴を買って、お面を二人で買って、冷えたサイダーを飲んだ。


この一瞬一瞬を私は目に焼き付けようと思った。この瞬間を永遠にしようと。


増田、増田。大好きだよ。
心から本当に、好きで好きでたまらない。
でもね。私は友達と約束したんだ。
時間が止まればいいのに。
毎日が今日の繰り返しならいいのに。




私たちは歩行者天国の縁石に座った。