「ケンカだ！！」

全体朝会が終わり、教室に入ろうとしていた時、声が響いた。

生徒たちが走りだした。
私もそれを追いかけた。


人ごみが円陣を組み、その輪の中で藤田雄大と真佐人が取っ組み合いをしていた。


「てめえら、気に入らねえんだよ！」
真佐人が叫ぶ。


「そうかい。別にお前に気に入られようなんて、これっぽっちも思ってねえよ」


真佐人のパンチが走る。
雄大の右ほほに直撃した。


「やってくれるじゃないか。総太、上着を頼む」
雄大は上着を総太に渡した。


「次は俺の番だな」
雄大が拳を振り上げ、真佐人の横っ面に拳をねじこんだ。

真佐人がよろめいた。

「おら！もう一発！」
真佐人に追い打ちをかけるローキック。
真佐人は立ち上がれない。


「ちくしょう！」


その時、賢が雄大に飛び蹴りをくらわした。