さて、部活のことを話そう。

探偵部は放課後の4時から6時までを活動時間としていた。
やることはただ一つ。
待つ!

ただ待つ。
何をかって?

依頼が来るのを。


***


木曜日の放課後。いつも通り私は部室で依頼を待っていた。

「いいねえ、そうこのポーズ」
優介が鏡を置き、自分を映していた。

「結城先輩、部長大丈夫ですか? 頭」
「放っておけ」
のぞみは眼鏡の奥の冷ややかな目で優介を見た。

「男は黙ってハードボイルド。かーっくいいー!」
優介は悦に浸っている。