廊下に出た瞬間、私は立ち止まった。

松夫と総太が待ち受けていた。
松夫は腕をくみ、ふてぶてしい笑みを浮かべていた。


「探偵ごっこは楽しいか?」
松夫が口を開いた。

「お前らには関係ない」
のぞみがいった。

「結城、いい加減つまらないことはやめろ」

「誰がお前の指図を受けるか。目を覚ませ土屋。お前らのやってることは間違ってる」

「そうか?バックヤードユニオンは間違いか?」

「そうだ。お前らは何も解決できていない」

「もう一度考えなおさないか?」


「断る」


「おい、何の用なんだ?」
優介がいった。

「これはこれは、部長さんですね。どうです何かつかめました?」
総太はニヤリと笑った。

「まだだ。だがいずれ分かるさ」

「手をひけ」
松夫が冷たい声でいった。

「なに?」

「余計なことをするな。バックヤードユニオンの仕事の邪魔になる。探偵は黙って猫や犬でも探してろ」

「そうはいかねえよ」

「あまり俺たちを甘くみない方がいい。
繰り返すぜ、邪魔なんだ」