「南雲ちゃん、ちょっと見せてちょ」
優介の太い声。

私はビラを渡した。

優介はじっとそれを見つめた。

「なるほど」
「何か分かったんですか?」

…………

「分かった」
「教えてください」

「何も分からないということが分かった」
優介は深くうなずいた。


ダメだこの人は。

「あのなあ。探偵には二パターンのタイプがいてな。一つは結城のような推理タイプ、もう一つはアクションで事件に挑むタイプがいるんだわ、南雲ちゃん」


「部長は、アクションタイプなんですね?」

「そういうこと」

「でも一連の事件は続いてるんですよね?」


「ああ、多分な」
優介は目を細めた。

「ちょっと付き合うか、南雲」
「えっ?」
「デートとしけこもう」

「いや、何いってるんですか!」
「冗談だ。本気にするない」