「なっ、捺芽!!!」

誰かが走ってきた。

「真緒ちゃん……」

真緒ちゃんが真っ青な顔をして走ってくる。
たぶん空青くんのおじさんかおばさんが連絡したんだろう。


「あ…空青は!?空青は!?」
あたしの肩を両手でもって震えた手でガタガタと揺らしてくる。

「あ……」

「こちらです」

看護師さんが真緒ちゃんの肩を抱いて病室に連れて行った。

「あ…空青…空青!!いやぁぁぁ!!」


真緒ちゃんの泣き叫ぶ声が頭に響く。


力が出ない…。
声も出ない…。