空を見た。
雲一つない空。
「空青くん!!あたし決めたよ」
「捺芽!!」
後ろから誰かが飛びついてきた。
でも、誰だかわかるよ。こうやって泣きながら来てくれるのは広ちゃんしかいないもん。
「広ちゃん」
広ちゃんは随分捜してくれていたんだろう。
はぁはぁと息をきらせていた。
「ごめんね。私、何も出来なかった。捺芽を守れなかった」
広ちゃん……。
「ありがとう。広ちゃん!大丈夫だよ!あたし強くなるからね。強くなってみんなをびっくりさせてやるんだから!!」
広ちゃんは驚いた顔をしていた。
「もー…。捺芽にはかなわないよ。こっちが励まされたじゃん。捺芽、かっこよすぎ!!」
笑ってそう言った。
強くなる!
強くなってやる!!