「そんなぁ…。夢が。
夢が病気なわけないじゃないですか!
あなた、医者なら事実を言ってください!ねぇ…! ねぇ…! 」


母さんは椅子から流れ落ちて奈津子先生にしがみついている。

泣いていて、顔はぐしゃぐしゃで。


私のためにこんなに泣いてくれてるんだね。




母さん、ありがとう。







本当にありがとう。



「夢ちゃん。リアクション薄いね。 」



奈津子先生は私を見つめる。



「 うん。薄々気づいてたから。」



「 夢!どういうことよ。
何で知ってたの?」

母さんが目を見開いて私に聞く。


「別に…。
今の言葉に深い意味はないよ。


母さん …私、生きるよ。


もう泣かないから。


前を向くって言ったもん。」



「その意気込みよ。夢ちゃん。

お母様も立ってください! 」


奈津子先生に立たされて、
ようやく母さんも立つ。


はぁ…。