「 そりゃあ…そうだよ。
6歳の娘がいたから。」
「 え?年離れてますね。」
なんだ…
まだ子供いるのか。
「 あ…死んだのは6歳の時ってこと。」
先生は悲しそうな顔をして
アクセルを踏み出した。
「それって…まさか! 」
「もう9年が経った。
生きていれば、咲田と同じくらいか。 」
先生の子供は…
もうこの世にはいないの?
聞きたいけど、聞き出せない。
先生の悲しむ顔を見たくないから。
「 聞きたそうな顔してるな。
話してやるよ。」
私は先生の話を全て受け止めた。
先生があまり笑わないのは…
昔亡くなった子供のことを
思っているからかな。
先生も辛い思いをしている。
それなのに、自分だけ
「辛い 」って思わせて…。
たくさん迷惑かけて…。
誰か。教えて。
私は一体何なんだろう?