そのあと死亡確認の際、私もいちかの死亡を確認することになった。




本当は、家族しかダメなんだけど…


いちかが、私のことを姉として慕っていたのを知っている奈津子先生のご好意。



そして、なによりも佐伯さんが必死に頼み込んでくれたからだと思ってる。







扉を開けると、そこにはいちかがいた。




「いちか…っ。 」



とても綺麗な顔をしていた。




とても、幸せそうな…。





治療のせいで少ししかない栗色の髪。
治療で細くなった身体。
白くて…動かない手




間違いなく死んでる。







「 いちか! 」




私が手を握ると、握り返してくれない。


頬を撫でても、冷たい。






「 いちか、治療お疲れ様。
今まで、大変だったね。
もう、眠っていいみたいだよ。」



自然と涙が零れ落ちた。



いちかの手の平に落ちる。





「 ごめんね。涙落ちちゃった。」




ハンカチで拭く。




拭いたとき、少し揺れる遺体。




隣で同じように泣く、佐伯さんに申し訳なくなる。


「 私、もう出ます。
失礼しました。」